2006年イースター号
「白バラの祈り」 坂田棗
3月に友人と「白バラの祈り」という映画を見てきました。
ヒットラー政権に立ち向かった21歳の女学生、ゾフイ―の勇気に世界中の観客が心打たれたという作品だけあって、多くの映画賞を取りドイツでは100万人が壮絶な勇気に涙したという実話です。この映画をご覧になった方もいらっしゃる事でしょう。嬉しい事に映画館は満員で、2ヶ月に渡って上映しているほどです。
「白バラ」とは反ヒットラーのビラを撒いた地下抵抗運動のグループ名です。この事件は逮捕から5日間で処刑された女子学生ゾフイ―・ショルの最後を描いています。
あのおぞましいナチス政権下1943年2月、兄のハンスがミュンヘン大学でビラを撒くと言い出し危険すぎるという仲間の反対にもかかわらず妹のゾフイ―も兄と行動を共にします。ミュンヘン大学の「光のホール」と呼ばれるホールにチラシを置き学校内に居たゲシュタボに逮捕されるのです。とうとう時間がなくゾフーはチラシを3階から下のホールにまきますが、それをカメラが雪を降るかのように撮っています。
ゾフーはビリー・ホリデーが好きでボーイフレンドがいて両親にとっては良い娘ですがゲシュタボの尋問官とのやり取り、心理的闘いそれが理性を失わず美しく堂々としているのです。そのゾフイ―が祈りを捧げます。
「神様、心の底からお願いします。私はあなたに呼びかけています。あなとのことは何も知りませんが、あなたと呼ばせて頂いています。私がわかっているのは、あなたのなかにしか私の救いが存在しないという事だけです。どうか私を見捨てないで下さい。我が栄光の父よ」
茶番劇な裁判で裁判長は反逆罪だとののしり罵倒するのですが、ゾフイ―は「兄と私はビラによって人々に目を開かせ他国の人々とユダヤ人に対する残虐な殺戮行為を少しでも早く留めさせようしたのです」と胸を張り短い命を断たれます。
この作品は90年代に旧東独で発見された尋問記録に基づく脚本です。「謙虚に歴史を学ぶ姿勢に戦後60年映画の日独の落差を感じた」と批評家が述べていました。この映画はお茶の間でのビデオ鑑賞ではなく、映画館へ足を運んでじっくりと観たいものです。史実を凝視した、重厚で、丁寧に作られた作品を見、日本人の歴史観の希薄さを考えさせられました。
今年は3月1日(水)より大斎節が始まりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?大斎節の礼拝の日程は以下の通りです。
4月13日(木) 聖木曜日聖餐式
14日(金) 受苦日礼拝
15日(土) 聖土曜日礼拝
16日(日) 復活日聖餐式
4月の例会のご案内
日時:4月24日(月) 10時30分から12時30分
場所:管区事務所3階 の 会議室 東西線 神楽坂駅下車 矢来町方面出口 徒歩3分
講師:山本祐靖先生
テーマ:「奇跡は起こったのだろうか?」
マリアの処女懐妊、復活、とうとうをどう考えるか、
ということを皆さんと話せればと思います。事前に皆様も考えて来てください。